111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
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カテゴリ:映画・TV・本など( 166 )

8月中に読んだ本

書こう書こうと思っているうちに、10月になってしまいました。取り急ぎ。

鍵のない夢を見る (文春文庫)

辻村 深月/文藝春秋

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『鍵のない夢を見る 』辻村 深月 評価:★★ 
直木賞受賞の短編集。どれも水準以上には面白かったですが、すっと気持ちに寄り添うものもあれば、ちょっとつくりごとっぽさが目に付いてしまうものもあり、差し引きして星2つとしました。

愛に乱暴 上 (新潮文庫)

吉田 修一/新潮社

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愛に乱暴 下 (新潮文庫)

吉田 修一/新潮社

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『愛に乱暴(上下)』吉田修一 評価:★★ 
途中までは、「吉田修一にしては普通だな」と思っていたのですが、「おっと、そういうことだったのか!」という仕掛けが隠してありました。面白かったですが、ほかの作品との比較で星2つにとどめました。

どうでもいいようなことですが、こんなに薄いのに、上下巻にする必要あったのかしら? 上巻から下巻に移ったところで「おっと、そういうことだったのか!」という展開になったわけでもないし…。

緋色の楽譜 上

ラルフ・イーザウ/東京創元社

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『緋色の楽譜』ラルフ・イーザウ 評価:★★ 
クラシック音楽を題材にしたミステリ。ちょっとご都合主義の展開じゃない? と思うところもありましたが、それなりに面白く読みました。

リレキショ (河出文庫)

中村 航/河出書房新社

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『リレキショ』中村航 評価:★★ 
カバー裏の内容紹介によると「都会の青春ファンタジー」だそうで、なるほど、確かにそんな感じでした。ただ、主人公の「僕」こと「半沢良」君を「半村良」と読んでしまいまして、読み違いに気づくまで「なんでこんな名前にしたんだろう???」とすっごく謎で、そのことばかりが気になってしまいました(汗)。
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by noma-igarashi | 2018-10-01 20:33 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

7月中に読んだ本

神秘大通り (上)

ジョン アーヴィング/新潮社

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神秘大通り (下)

ジョン アーヴィング/新潮社

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神秘大通り(上・下) ジョン・アーヴィング 評価:★★★

「6月中に読んだ本」が月末ギリギリになってしまったので、「7月中に読んだ本」は早めに書いておきます。といっても、「7月中に読んだ本」これだけ。わずか2冊というか、わずか1作品にとどまりました。

というのも、ハードカバーにつき、持ち歩くのが重くて。読み始めたものの、なかなか先に進まず、波に乗るまでに半月を費やしてしまいました。ただ、いったん作品に入り込んでしまうと、あとは早かった。するする、どんどん読み進めることができました。アーヴィング、やっぱり面白かったです。

ただ、どこがどう面白いのかとなると、なかなかうまく説明できないんですよね。アーヴィングの面白さって、一般的にはどういうふうに言われているのかなと思い、試しにウィキペディアを見てみたら、こんな説明文がありました。

彼(注:ジョン・アーヴィングのこと)が発表する作品のほとんどは主人公たちによる人間喜劇のような波乱万丈のストーリー展開をもつ。

ああ~、なるほど。確かにそうかも。どの作品にも、いろんな人たちが出てくるんだけど、確かにどこか喜劇っぽいし、なにげに波乱万丈。この『神秘大通り』もそうでした。メキシコのゴミ捨て場で育った少年が、やがてアメリカで作家として成功する。作家になってからの現在の話と、少年時代の話とが交錯しながら進んでいく展開でした。

人の心が読める妹やら、ゲイの娼婦やら、教会の神父さん、サーカスの芸人たち……。どの登場人物もどこかに欠落があり、それぞれに愛おしい。読書の楽しみを堪能できる素敵な1作でした。
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by noma-igarashi | 2018-08-09 23:22 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

6月中に読んだ本

書こう書こうと思っているうちに、7月も終わりに近づいてしまいました(汗)。ともかくは、8月にならないうちにアップしておきます。

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

カズオ イシグロ/早川書房

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『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』カズオ・イシグロ 評価:★★★

カズオ・イシグロを読むのはこれが2冊目です。実は、1冊目は原文で読みました(なんと!)
というのはですね、はるか昔、10年遅れで大学に通っていたころ、英語の授業の教材がこの人の作品だったんです。先生いわく「この人は両親が日本人だからこういう名前だけれど、ずっとイギリスで暮らしていてネイティブに近く、文章がとてもきれいなので教材に選んだ」とのことでした。ノーベル賞を取るよりずっと前のことです。果たしてなんという作品だったか。題名は忘れてしまったし、内容の記憶もおぼろ。確か、すぐに悪態をつくユダヤ人のお父さんの出てくる作品でした。日本語版、出てるのかな。出ているならちょっと読んでみたい気はします。

そんなわけで、英語の授業でえらく苦労した覚えがあるため、なんとなく敬遠して、ノーベル賞で話題になっても手を出さないままになっていました。今回は、図書館で見かけ、音楽に関する作品を集めた短編集だというので、借りてみました。1作目がとてもよかったです。2作目以降も面白く読みましたが、ちょっと設定がつくられすぎ(凝りすぎ)ているかな、という気も(例えば、整形手術で入院中の思い出話とか)。もうちょっと自然な感じの作品を書く人なのかと思っていました。

ぼくの死体をよろしくたのむ

川上 弘美/小学館

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『ぼくの死体をよろしくたのむ』川上弘美 評価:★★ 
これも短編集。好きな作者なのですが、今回はちょっとピンとこない作品も混じっていたので、評価は★★にとどめました。


パーマネント神喜劇

万城目 学/新潮社

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『パーマネント神喜劇』万城目学 評価:★ 
ごめん。万城目学、面白いのは面白いけど、面白くないのは面白くないわ。もうちょっと練ればいいのに。

モーツァルトのドン・ジョヴァンニ

アンソニー ルーデル/角川書店

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『モーツァルトのドン・ジョヴァンニ』アンソニー ルーデル 評価:★★
1787年のプラハ、「ドン・ジョヴァンニ」の初日が迫る中、なかなか作品を仕上げられずにいるモーツァルトと、彼を取り巻く人々を描き出した作品。

それなりに興味深く読みましたが、小説としてすごく面白いかというと、どうだろう。モーツァルトに対する興味で読み進めたのであって、小説にぐいぐい引き付けられた、というふうではなかったかなと思います。
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by noma-igarashi | 2018-07-29 09:01 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

「万引き家族」を見てきました

公式サイト

「万引き家族」を見てきました。
カンヌ映画祭のパルムドール受賞のニュースを聞いたとき、ちょっと興味を惹かれて、見に行ってもいいかな、と思いました。その後すぐ、ネトウヨから、「そんな家族を描くなんて日本の恥!」というような批判(言いがかり)が出てきて、そうこうするうちに、仏フィガロ紙が「海外での受賞に賛辞を送るはずの安倍首相が『万引き家族』には冷淡」という趣旨の報道をして(こちら)、それを受けて(かな?)、林文部科学相が是枝監督を文科省に招いて祝意を伝える考えを示したところ、公権力からは距離を置きたいからと監督が辞退(こちら)。そしたら今度は、政府の助成金をもらって映画をつくったくせに、生意気だとか笑止千万だとかいう意見(これまた言いがかり)が噴出。こうなったらもう見に行くしかないでしょう。

それにしても、『万引き家族』に対するネトウヨの攻撃って、先月、「4月中に読んだ本」の中で、長嶋有『もう生まれたくない』の感想として書いた懸念がまさに現実になった感じがしますね。

続きを読む(ネタバレしてたらごめんなさい)
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by noma-igarashi | 2018-06-17 13:10 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

5月中に読んだ本(または「言葉」について思うこと)

魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない

保坂 和志/筑摩書房

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『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』保坂和志 評価:★★★
《こいつ、何言ってんだ?》と思われかねない、寝言や戯言のような言葉で、どこまでも考える。死と生の意味にまっすぐ逃げずに向き合った、小説魂あふれるエッセイ集!

エッセイ集です。小説のことや飼い猫のこと(主に闘病記)、1人だけ私立中学に進学したためにずーっと疎遠になっていた地元の幼馴染たちと再会した話、震災直後はそれについての話などが、この作者らしい視点や文体で綴られています。読みながら、思わず泣けてきそうになってしまいました。いや、別に内容がすごく感動的だったからというわけではなくて(もちろん興味深く読みましたが)、日本語が日本語としてちゃんと伝わってくることがうれしくて、そのことに改めて感動したのでした。

というのも(うまく説明できるかな)、これを読んでいた時期は、国会のことがニュースになる日が多く、安倍総理の使う日本語に辟易とするばかりだったので。嘘ばかりつく、すぐにごまかす、聞かれたことにちゃんと答えず、ずらしたことを延々としゃべり続ける。特にイライラするのが、論点をずらした話を長々とする話し方です。あの人がどれだけこの話し方を多用しているか、先日、党首討論があったときの発言内容を調べた人がいます(こちら)。

それによると、立憲民主党の枝野代表の質問に答えた際、枝野代表の質問に対して、安倍総理が直接の回答を口した時間は答弁全体のわずか4%(書き起こし換算で150字)。あとは、質問と全く関係のない内容をだらだら話した時間が34%(同1256字)、回答者でありながらなぜか質問内容を解説した時間が41%(同1479字)、不要な言葉・意味不明の言葉を発した時間が21%(同757字)だったとか。本当にげんなりしてしまいます。

このときの党首討論だけでなく、あの人はいつもこんな感じですよね。日本語が日本語として機能していない。安倍総理のやることなすこと、私は全く評価しないですが、日本語をめちゃくちゃにしたというのもその1つです。美しい日本語を返してほしい。日本語に限らず、言葉というのはお互いにわかり合うためにあるものだと思います。

そんなことにうんざりしていた中でこのエッセイ集を読んだため、本当に明るい気持ちになりました。共感できることには「うんうん!」とうなずき、よくわからないことは考えてみようという気持ちになり、言葉を介して想像力が膨らんだり、新たな発見をしたり、言葉から何か大切な贈り物を受け取ったような気持ちを味わいながらこの本を読みました。言葉って素晴らしい、改めてそう実感しました。

ストロベリーライフ

荻原 浩/毎日新聞出版

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『ストロベリーライフ』荻原 浩 評価:★★
農業なんてかっこ悪い。と思っていたはずだった。イチゴ農家を継げと迫る母親。猛反対の妻。志半ばのデザイナーの仕事はどうする!? 夢を諦めるか。実家を捨てるか。恵介36歳、いま、人生の岐路に立つ!

先月はとても面白く読んだ荻原浩作品ですが、本作は小説としてのつくり込みがちょっと足りなかったかな。主人公もその妻も、理屈で考えてからでないと共感できなかったというか、読みながらすーっと入り込き、登場人物1人1人に気持ちが同化していく…というふうにはならなかったです。

不時着する流星たち

小川 洋子/KADOKAWA

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『不時着する流星たち』小川 洋子 評価:★★ 
ヘンリー・ダーガー、グレン・グールド、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー…世界のはしっこでそっと異彩を放つ人々をモチーフに、その記憶、手触り、痕跡を結晶化した珠玉の十篇。現実と虚構がひとつらなりの世界に溶け合うとき、めくるめく豊饒な物語世界が出現する―たくらみに満ちた不朽の世界文学の誕生!

最果てアーケード

小川 洋子/講談社

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『最果てアーケード』小川 洋子 評価:★★ 
ここは、世界でいちばん小さなアーケード―。愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる。小川洋子が贈る、切なくも美しい記憶のかけらの物語。

小川洋子の短編集を2冊読みました。どちらも、いいなと思う作品と、それほどでもない作品とが混じっていました。
                                             
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by noma-igarashi | 2018-06-16 09:45 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

「太陽がいっぱい」についての勘違い

2つ下の記事で「美女と野獣」のことを書いたら、懐かしい映画のことがほかにもいろいろと思い出されてきたので、もうちょっと話題にしてみます。今回は「太陽がいっぱい」についてです。これも名作ですよねえ。久しぶりにニーノ・ロータの曲を聴いたら、それだけでぞくぞくしてきました。

「太陽がいっぱい」は1960年の映画なので、やはりリアルタイムでは見ていません。これまた、フランス語を習っているころにフランス映画をまとめて見た中の1本です。

ただ、それ以前に(中学生ぐらいだったかな?)、漫画化されたものを読んだことがあります。確か「週刊セブンティーン」で、峯岸ひろみという漫画家さんが描いていました。そんなわけで、ストーリーを知っているつもりでいたのですが、実際に映画を見てみたら、基本的なところで勘違いをしていたことが判明しました。

というのは(皆さんが映画「太陽がいっぱい」をご存じだという前提で書くしかないですが…。あらすじはコチラ)、漫画版の「太陽がいっぱい」では、ドロンが演じるところの主人公トムが、ちょっと気弱な少年ふうに描かれていたのです。年上のフィリップにいいように扱われながらも、いじめられっ子がいじめっ子から逃れられないように、常にフィリップと一緒にいて、フィリップの恋人である年上のマルジュにひそかにあこがれている。そんな設定でした。また、フィリップの恋人マルジュも、漫画では「美人で色っぽいお姉さん」ふうに描かれていました。

でも、いざ映画を見てみたら、トムはそんな気弱な少年ではありませんでした。年齢的にはフィリップと同じぐらいだから、少年ではなく若者。貧しい青年ゆえに、富豪の子息であるフィリップに対して鬱屈した感情を抱えているけれど、それだけに、野心も持っている。マルジュのほうも、「美人で色っぽいお姉さん」というより、芯の強い自立した若い女の子という印象でした。とりわけ、書き上げたばかりの論文をフィリップに捨てられ(ヨットの上から海にばらまかれてしまう)、自尊心を傷つけられて、決然と彼のもとを去っていくという展開は、いかにもフランス人の女の子らしい意志の強さを感じました。

なぜ漫画版の「太陽がいっぱい」は、トムやマルジュをあんなふうに描いたのか? 多分、そっちのほうが作者の好みだったんでしょうね。峯岸ひろみって、そんな作風の漫画家さんだったので(今回調べてみたら、「神崎春子」という名前でハードゲイの作家としても活躍したとのことだし…)。

映画「太陽がいっぱい」を見たからには、トムとマルジュの性格設定はあれしか考えられないですが、それはトムをアラン・ドロンが演じ、マルジュをマリー・ラフォレが演じたから。もしも漫画のようにトムが気弱な少年ふうの役柄だったら、果たしてどんな俳優が演じるのがふさわしかったかなと、今ごろになって、そんなこともちょっと考えました。

※映画「太陽がいっぱい」を見たことがなくて、私が書いたことがさっぱりわからなかったという方は、ぜひ一度見てほしいです。素敵な映画ですよ。



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by noma-igarashi | 2018-06-05 23:07 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

「美女と野獣」の1シーン

ちょっと唐突ですが…。
ツイッターに古い映画の話題が流れてきて、ふいに懐かしくなったジャン・コクトーの「美女と野獣」。YouTubeを検索したら、全編見られる動画もアップされていましたが(いいんだろうか…)、うれしいことに、いちばん見たかったシーンだけを切り取ったものも見つかりました。ベル(美女)が初めて野獣の館に足を踏み入れた場面。とにかく美しい。2分44秒の短い映像なので、よかったらぜひ見てみてください。

1946年の映画につき、私が見たのはだいぶ後になってからです。フランス語を習っているころ、フランス映画をまとめて見ていたときに出会いました。題名はよく知っていたけれど、こんな映画だとは知らなかったです。モノクロの画面の美しさに、フランス語を聞き取る努力をするのも忘れて、ただただ見入ってしまいました。

Wikiの 「美女と野獣 (1946年の映画)」 ページもリンクしてみますね。



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by noma-igarashi | 2018-06-02 19:47 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(2)

4月中に読んだ本(気合いを入れて書いてみた)

いつになく気合いを入れて書きました(特に3冊目)。ただ、書き連ねるうちに、本の感想からズレてしまったきらいはありますが(汗)。

砂の王国(上) (講談社文庫)

荻原 浩/講談社

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砂の王国(下) (講談社文庫)

荻原 浩/講談社

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『砂の王国(上下)』荻原浩 評価:★★★ 
(あらすじ:上巻)全財産は、3円。私はささいなきっかけで大手証券会社勤務からホームレスに転落した。寒さと飢えと人々からの侮蔑。段ボールハウスの設置場所を求め、極貧の日々の中で辿りついた公園で出会った占い師と美形のホームレスが、私に「新興宗教創設計画」を閃かせた。はじき出された社会の隅からの逆襲が始まる!
(あらすじ:下巻)3人で立ち上げた新興宗教団体「大地の会」は私が描いた設計図どおりに発展。それどころか会員たちの熱狂は、思惑を超えて見る見る膨れ上がっていく。奇跡のような生還と劇的な成功。だが、そこで私を待っていたのは空虚な祝祭と不協和音だった。


面白かったです! 上巻の、どん底から這い上がっていく過程も。下巻の、そこからいっきに暗転する展開も。主人公が宗教団体を起ち上げる話としては、その昔、村上龍の『愛と幻想のファシズム』を読んだ覚えがありますが、小説としての面白さはこっちのほうがずっと上でした。まあ、この30年間(もう30年も経っていたのか…)に社会も変わったし、オウム真理教の事件も経験したし、単純に比べられない面もあるかなとは思いますが。
何にしても、私としては高評価の1冊でした。おススメしたいです。

黄色い水着の謎―桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活〈2〉


奥泉 光/文藝春秋

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『黄色い水着の謎―桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活〈2〉』奥泉光 評価:★★


『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』の第2弾。やる気もなければ志も低い准教授・桑潟幸一が怪事件の解決に挑むというもの。ただし、彼自身はほとんど何もせず、実際に事件を解決するのは女子学生たちですが。1冊目の『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』はおおいにウケて、もしかしたら奥泉作品の中でいちばん好きかもと思いましたが、2冊目となると、ちょっと胃にもたれる感じもしてきました。ただ、気軽に楽しめる1冊ではあります。


もう生まれたくない

長嶋 有/講談社

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『もう生まれたくない』長嶋有 評価:★★ 
(あらすじ)マンモス大学に勤める、にわかナースの春菜、ゲームオタクのシングルマザー・美里、謎めいた美人清掃員の神子。震災の年の夏、偶然の訃報でつながった彼女たちの運命が動き始める―。誰もが死とともにある日常を通して、生の光を伝える傑作長篇小説。

次々と語り手が代わっていく形式は、ちょっと入り込みにくい面もあり、評価は★★としました。ただ、それもひっくるめて、この作者らしい作品だと思うし、こういう試みが好きな人は好きなんだろうなとは思います。それより、私がこの作品を読み始めてすぐに、「これはぜひ書いておかなければ!」と強く思ったのは、この作品の小説としての面白さとはまた別のところにありました。

上記「あらすじ」にあるように、この小説は震災の年の夏から話が始まっています。そのため、登場人物たちが震災のときのことを思い出す描写があったり、ごく普通の日常生活の中に震災の影響がまだ残っていることをうかがわせる描写があったりもします。それを読んで、震災のすぐあと(というより、震災と原発事故のすぐあと)、自分が考えていたことを思い出しました。こんなにも信じられないような世界(大規模な原発事故が現実に起きるという、震災前には想像もしていなかったような世界)に放り込まれて、自分の気持ちもそれまでとは大きく変わってしまったし、今後は小説などの文芸作品も、その影響と無縁ではいられないだろうなと。その当時はそんなふうに思っていました。

ただ、7年が経って、そんなふうに思っていたことはどこへやら。本書を含め、震災や原発事故にふれた小説はいくつか読んだものの、文学的に何か大きな流れになるといったことはなかったし、そもそも(実は)、そんなふうに思ったこと自体を、いつの間にか私自身が忘れてしまっている始末。そう、忘れていたんです。あんなにも切実に震災と原発事故の影響について考え、また現実の世界では実際に影響を受けてもいたのに。

はああああああああ。人間、先へ進むためには忘れることも大事だから、それでいいといえばいいのかもしれませんが。

なんで忘れちゃったんかなあ…と考えてみるに、震災は突発的な出来事であって、例えば今も深刻な余震が続いているなどというわけではないし、原発事故のほうも、被害はまだ続いてはいるものの、日常生活を送っている分には見えない状態にあるため、つい意識の外に行ってしまいがちだし。それともう1つ、震災の翌年ぐらいまでは、脱原発のデモにちょくちょく参加していて、そのつど思いを新たにする機会になっていたのだけれど、安倍政権になってからは、安保法制反対に始まり、「安倍政権NO!」のデモのほうに参加することが多くなり(両方に参加するだけの時間はないため、より切実なほうを優先すると、そうなりました)、そっちに気持ちが向いてしまうことが多くなったんですよね。

…とまあ、ここまで考えて、また新たな考えが浮かんできました。安倍政権になってから、世の中の価値基準が大きく変わってしまったじゃないですか。首相はうそばかりつくし、筋を通した話をしようとしても、すぐに話をすり替えられてしまうし、少しでも政権に批判的な発言をする有名人(ネット上の有名人も含めて)がいると、よってたかってネトウヨが攻撃するし、なんだかもう、善悪やら正義感やらの基準がこれまでとは反転してしまったように感じます。そんな世の中になってしまったら、それこそ小説などの文芸作品も影響を受けずにはいられないんじゃないでしょうか。実際、高畑勲監督が亡くなり、「火垂るの墓」が放送されたとき、幼い兄妹の見舞われた運命に対して、自己責任だという意見が横行していましたよね。そんな受け止め方をされるのが普通になってしまったら、創作する側も影響を受けずにいられないのではと、すごく心配です。

このブログを読んでくださっている方は、多分、フィギュアファンが多くて、ここまで書いたようなことに興味がおありなのかどうかわかりません。こんな例え方をするのが適切かどうかわかりませんが、フィギュアスケートでも、自分のお気に入りの選手のライバル選手に対して、すぐに悪口を言ったり、何かといえば攻撃したりする人がいるじゃないですか。ただ、本人としては、自分の発言のほうが正論であり、自分が正義を行っていると信じておられるんですよ。今の世の中は、それと同じようなことがもっと大々的に行われている――。強いていえば、そういう印象です。すごくイヤ。

こんな状態からは早く抜け出したいし、少なくとも、心のよりどころとできる価値観に生き残ってもらいたい。切にそう願います。
                                              
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by noma-igarashi | 2018-05-12 11:14 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

私の本棚の50音(まとめ)

「私の本棚の50音」、終了しました。
そもそもは、twitterで流行っていた“あなたの本棚の「あいうえお」”という遊びに参加したところ、なかなか面白くて、ほかの行もやってみることにしたような次第。50音とはいうものの、濁音、半濁音も含める一方、どうしても見つからないものもありました。具体的には「ぢ」「づ」「を」「ん」です。もし、この4文字で始まる本を持っている方がいたら、ぜひ書名教えてほしいです。宝塚ファンの人なら「づ」はいけるかしら? 

そんなわけで、制覇したのは67音。おまけとして「ヴィ」「ヴェ」も加えましたが、最初の1文字というルールを考えたら、これは「ヴ」と捉えるべきだったかしらん。「ヴ」も加えれば68音です。

今になってみると、作者もダブらないようにすればよかったですね。途中で気がついて、「あ、しまった!」と思いましたが、時すでに遅し。何人かダブってしまいました。

「あいうえお」×3種類、「お」の一群

「かきくけこ」「がぎぐげご」

「さしすせそ」「ざじずぜぞ」

「たちつてと」「だぢづでど」 ※「ぢ」「づ」はナシ

「なにぬねの」

「はひふへほ」「ばびぶべぼ」「ぱぴぷぺぽ」

「まみむめも」

「やゆよ」

「らりるれろ」


「わ」「ヴァ」「ヴェ」
 ※「を」「ん」はナシ

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by noma-igarashi | 2018-05-06 09:48 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

私の本棚の「わ」ほか

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「『吾輩は猫である』殺人事件」奥泉光
    *
『ヴァイオリン職人の探求と推理』ポール・アダム
『ヴェネーツィアと芸術家たち』山下史路

「を」「ん」で始まる本は持っていないと思うので、探しませんでした。代わりに、おまけとして「ヴァ」「ヴェ」で始まる本を並べました。「ヴィ」もあるかなと思ったのだけど、すぐには見つからず。
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by noma-igarashi | 2018-05-06 08:57 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)


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