111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
by noma-igarashi
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カテゴリ:映画・TV・本など( 136 )

バリトンはしづかなる髭歌ひ出しつねに過つ癖持ちながら


バリトンはしづかなる髭歌ひ出しつねに過(あやま)つ癖持ちながら  紀野 恵


紀野恵(きの・めぐみ)さんは1965年生まれ。この歌は1995年刊行の歌集『架空荘園』に収録されています。同歌集には、オペラ「オテロ」を材にした「デスデモーナ」なんていう連作も収められているのですが、自分の好みでこちらをご紹介しました。読み方をちょっと迷うところですが、「歌ひ出し(を)つねに過つ」の「を」が省略されているのだろうと思います。
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by noma-igarashi | 2005-10-26 00:33 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

伯爵邸の大道具に頭を凭せゐるゲネプロの間のさびしいフィガロ


伯爵邸の大道具に頭(づ)を凭せゐるゲネプロの間(ま)のさびしいフィガロ 永井陽子


永井陽子さんは1951年生まれ、2000年没。この歌は1986年に刊行された歌集『ふしぎな楽器』に収録。ほかにも歌集『モーツァルトの電話帳』『小さなヴァイオリンが欲しくて』など、音楽に関係の深い歌を多く詠まれた方なので、またご紹介する機会があると思います。
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by noma-igarashi | 2005-10-25 20:22 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

ほそき腕闇に沈んでゆっくりと「月光」の譜面を引きあげてくる


ほそき腕闇に沈んでゆっくりと「月光」の譜面を引きあげてくる  加藤治郎


加藤治郎さんは1959年生まれ。この歌は、1987年刊行の歌集『サイー・サイド・アップ』に収録されています。
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by noma-igarashi | 2005-10-25 19:54 | 映画・TV・本など | Trackback(1) | Comments(0)

指頭もて死者の瞼をとざす如く弾き終へて若きピアニスト去る


指頭もて死者の瞼をとざす如く弾き終へて若きピアニスト去る  大塚寅彦

今月中は、長い文章を書いている時間があまり取れそうにないため(特に平日)、気分を変えて、音楽やオペラを材にした短歌をご紹介してみます(オペラを材にしたものは少ないかも)。これなら、ちょっとした空き時間にUPできそうなので。

大塚寅彦さんは1961年生まれ。この歌は1985年刊行の歌集『刺青天使』に収録されています。
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by noma-igarashi | 2005-10-25 19:49 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

調子はずれのアリア


オーケストラピットに指揮者あらわれて一礼ののち振り出すタクト

ウィーンの元帥夫人の寝室に若き恋人招かれており

華麗なる軍服姿の若者を演じるズボン役のアルトは

歩み出てソプラノ、アルトは歌いゆく移ろいやすい恋の不安を

ロビーにはワイングラスやプログラム手に人々が群れて華やぐ

修道院から出てすぐの縁談にときめく少女はまだ十六で

凛として恋に終わりがあることを歌う元帥夫人のソプラノ

恋敵だったふたりも手をつなぎカーテンコールの拍手を浴びる

午後十時オペラがはねてパリ風のカフェーで熱きオニオンスープ

翌朝のキッチンに湯を沸かしつつ調子はずれの私のアリア



e0073856_10522870.jpgすみません、せっかくオペラ専用のブログをつくったのだからと思って、自作の短歌(連作)を持ってきてしまいました。
下敷きになっているのはオペラ「ばらの騎士」ですが、実際とはちょっと違っている点もあります。「ばらの騎士」は、観てみたいオペラのひとつですが、上演時間が長いからか、日本ではあまりやらないみたいですね。
(←)これは、私が持っているものとジャケット違いのDVD。このオクタヴィアン、なかなか素敵でした。
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by noma-igarashi | 2005-10-08 10:50 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)

「カルメン」の原作のことなど

「いちばん好きなオペラは?」と聞かれたら、「カルメン」と答えると思います(ザルツブルグ音楽祭以降、「魔笛」が急追中ではありますが・・・)。そんなわけで、これから何回か、「カルメン」について書いてみようと思います。

なぜ「カルメン」がいちばん好きかというと、理由としては、1) 「カルメン」には有名な曲が多く、初めて観たときから親しみやすかったこと、2)主役のカルメンが、21世紀の女性にとってもかっこよさを感じるキャラクターであること、3)カルメンを中心とする三画関係、四角関係の恋愛模様が、現在にも十分に通じること――などが大きいと思います。
それにプラスして、たまたまオペラで観る前からストーリーを知っていて、個人的になじみやすかった、ということもありました。

私が「カルメン」に初めて接したのは(タイトルだけなら、家にあった「世界文学全集」ですが)、小学校高学年のころに読んだ少女マンガでした。姉の持っていた、ちょっとお姉さん向けのマンガ雑誌に載っていたのだったと思います。作画は牧美也子でした。
e0073856_22551112.jpg
※この機会に検索したら、出てきました。掲載誌は1969年の「ジュニアコミック」。表紙の絵は水野英子ですが、大きく「カルメン」の文字が・・・。ほかには、もりたじゅん、樹村みのり、弓月光なんかの名前も見えますね。













初めてオペラの「カルメン」を観たとき、マンガで読んだ記憶と照らし合わせて、「あれ、ちょっとストーリーが違うな」と感じました。たとえばマンガの「カルメン」では、ドン・ホセが盗賊(密輸団)の仲間になってみると、カルメンは盗賊の首領と夫婦関係にあった、という設定でした。盗賊の首領というと、オペラではたぶんダンカイロだと思いますが、べつだんそのような設定ではないですよね。
また、第4幕の闘牛の日、つまりドン・ホセがカルメンを殺害する場面ですが、マンガではその闘牛場にミカエラも居合わせました。ドン・ホセをまだ諦めきれずにいたミカエラが、それでも別の男性の誘いを受けて一緒に闘牛を見物に来ていたところ、ドン・ホセがカルメンを殺害したと知って愕然とする、というような設定でした。

オペラの「カルメン」を観たとき、こうした相違点について、オペラは都合で原作を多少改竄し、マンガのほうは原作に忠実だったのだろうと解釈しました。
ところが、最近になってようやく、原作の「カルメン」を読んでびっくり。思いのほか短いお話で、ミカエラは登場しないし、闘牛士のエスカミーリョもほとんど出てこないし、カルメンもだいぶイメージと違っていました(そんなに美人でカッコいいとは感じなかった)。小説だけを読むと、愛する女のためにお尋ね者となったドン・ホセの生き方に悲哀を感じる、というようなお話でした。小説の構造としても、作家のメリメ自身が、たまたま旅の途中で出会ったドン・ホセに身の上話を聞き、それを小説にしたという体裁を取っており、いかにも古めかしいスタイルでした。

そんなわけで、原作を読んで疑問に思ったのは、あの少女マンガはなんだったのか、ということ。いったい何をもとにしてあのような話になったのでしょう。原作を読んだだけでは、とてもあのような話にはなりません(盗賊の首領と夫婦関係にあった、というのは原作でも若干出てくるのですが)。

いろいろ考えた結果、もしかしたら映画化された「カルメン」があって、その映画をさらにマンガ化したのが牧美也子作品だったのでは、という結論(というかまったくの推測)に達したのですが、さて、真相はいかに。
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by noma-igarashi | 2005-09-19 23:01 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)


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