111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
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池澤夏樹をもう1冊

池澤夏樹をもう1冊、読みました。これも図書館で借りてきた『双頭の船』。震災後に書かれた、震災をテーマにした小説ですが、『アトミック・ボックス』が原発事故に焦点を当てていたのに対して、こちらは津波等による震災の被害そのものがテーマになっていました。『アトミック・ボックス』を読んだときは、池澤夏樹らしくない小説であることに驚きましたが、『双頭の船』はいかにも池澤夏樹らしかったです。

双頭の船

池澤 夏樹 / 新潮社


池澤夏樹らしい・らしくないというのが、この2冊を比較することで、私なりにわかりました。『アトミック・ボックス』は、先に用意された結末に向かって物語が展開していく。一方の『双頭の船』は、読み手も作者本人も、1行先にはどう展開するかわからないような書き方で話が進んでいく(実際には綿密にプロットが練られているのかもしれませんが…)。

後者のような小説も好きですが、仮に『アトミック・ボックス』がそういう書き方の小説であったら、あそこまで惹かれなかっただろうなと思います。逆に、『双頭の船』が前者のような書き方の小説だったら、そんなにも理路整然と震災を乗り越えていっていいのかと、少し抵抗感を覚えたのかもしれません。

つまりは、それぞれが適切な手法で書かれていたのだと思います。池澤夏樹、もう少し読み続けてみたいです。できれば過去のものより、3.11以降に書かれたものを。
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by noma-igarashi | 2014-10-25 00:46 | 震災日記 | Trackback | Comments(0)
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