111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
by noma-igarashi
最新のコメント
こんにちは~。コメントあ..
by noma-igarashi at 23:40
こんにちは。私が真央ちゃ..
by sasha_2006 at 08:49
ごめんなさい。上のコメン..
by noma-igarashi at 21:48
こんにちは~。 真央ち..
by noma-igarashi at 19:04
こんばんは。 真央ちゃ..
by Disney 鴨 at 22:53
こんばんは、久しぶりにコ..
by yunnan at 01:02
こんにちは。 毎日新聞..
by noma-igarashi at 18:52
こんにちは。 ちなみに..
by Disney 鴨 at 15:25
カテゴリ
検索
以前の記事
ブログパーツ

連作「つばめ」 2003年作

密林の獣を果実を太らせてメコンデルタに夕立が降る

サイゴンにつばめという名の少女いて海越えて飛ぶ夢を見ていた

バックパックの荷を解いたのは路地裏を見おろす窓のある安ホテル

一日中モーターバイクの群れがゆく街路の喧騒、熱気、塵埃

昼下がりの書店に食い入るような目で彼女が立ち読みしていたサガン

バゲットにナイフを入れる音に似た始まりだった目が合ったとき

語るほど文法乱れけれどまた生気をおびる彼女の仏語

敬語なきベトナム仏語のチュトワイエ小鳥がさえずるようなリズムで

旅先の話をするよりフランスの話におまえは目を輝かす

街角のカフェ、教会(カテドラル)、動物園ふたりで午後の木陰を追って

寝苦しい夜におもえばマンゴーの果肉のように溶けそうな肌

荷に詰めてきた世界地図ひろげ見る17度線に遠いこの街

買いたてのビーズの指輪はめた手を何度もかざしてみせて、笑って

夕立に表通りで追いつかれたちまちなまめくおまえの素足

熱帯の雨に濡れればいきいきと鳥より魚に近づく姿態

雨に濡れたおまえを部屋に招き入れ舌からめれば魚醤のにおい

戦況を伝えるニュースを遠く聞き抱き合う暗いホテルの部屋に

地図の上にフランスの夢アメリカの夢、描かれては揺れる国境

ありったけの記念切手をその頬に貼りつけ連れてゆけたとしたら

果たされぬ約束というその甘さ椰子の実のごと味わいつくす

てらいなくおまえが最後に口にした「悲しみよこんにちは(ボンジュール・トリステス)」映画のように

鳥に似て非なるさみしさジェット機に雌も雄もなくて夜に飛び立つ

          *

二年後にTVニュースが伝えくるヘリの爆音――サイゴン陥落

その日付すらもう遠し <一九七五年四月最終日(つごもり)>

いまどこにどうしてつばめ変わらない季節の国に歳月流れ

 
[PR]
by noma-igarashi | 2014-09-21 23:15 | 題詠100参加作品 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nomaiga.exblog.jp/tb/22407380
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 連作「いちばん高い塔の歌」 2... 宮原知子選手の「魔笛」、中盤の... >>


タグ
記事ランキング
外部リンク
最新のトラックバック
077:聡 より
from 楽歌三昧
065:砲 より
from 楽歌三昧
055:芸術 より
from 楽歌三昧
042:尊 より
from 楽歌三昧
018:援 より
from 楽歌三昧
フォロー中のブログ
ライフログ
ファン
ブログジャンル
画像一覧