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111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
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妄想フィギュア 3地域対抗「風と共に去りぬ・オン・アイス」(4)

妄想フィギュア北米チームの本拠地リンク。
妄想ジェフリー・バトルがロビーの椅子で演出のプランを練っていると、そこへ妄想ステファン・ランビエールがやってくる。


ジェフ:ステファン、ステファンじゃないか! (白い歯が印象的な笑顔を見せながら)
ランビ:やあ、久しぶり。アイスショーの仕事で近くまで来たんで、寄ってみたんだ。
ジェフ:大歓迎だよ。よく来てくれたね。
ランビ:聞くところによると、妄想フィギュア 3地域対抗「風と共に去りぬ・オン・アイス」の北米チームの演出は、君が担当するんだろう? 実は、ヨーロッパチームは僕が演出を手がけるから、挨拶しておきたいと思ってね。
ジェフ:知ってるよ。ヨーロッパチームは、ジェーニャ(プルシェンコ)がレット・ バトラー役に名乗りを挙げたそうじゃないか。正確には、強引に自分のものにしちゃった、というべきかな?
ランビ:耳が早いな。そうなんだ。あれにはまいったよ。
ジェフ:あはは。彼らしいよね。でも、ジェーニャならバトラー役にピッタリだよ。地でやれそうだ。
ランビ:彼も自分でそう言ってた。
ジェフ:やり方は強引だったかもしれないけど、僕としてはうらやましいな。北米チームは、レット・バトラー役がなかなか決まらなくてね。ジェーニャみたいに、役柄のイメージにピッタリで、実力も十分という選手がいてくれたらなあ…。
ランビ:確かに、人選が難しい役柄ではあるね。
ジェフ:レット・バトラー役以外は、複数の候補者がいるんだけどね。 (広げていたノートを示しながら) これが候補者リストなんだ。
ランビ:見てもいいのかい?
ジェフ:構わないよ。べつだん秘密主義じゃないから。



(役名)    (候補者)
スカーレット:アシュリー・ワグナー、グレーシー・ゴールド、アグネス・ザワツキー
レット・バトラー:
アシュレー:ジェレミー・アボット、ロス・マイナー
メラニー:ケイトリン・オズモンド、長洲未来、アリッサ・シズニー


ランビ:うん、いい人選だね。
ジェフ:ただ、この中から1人に絞るのが難しいよ。
ランビ:僕としては、アシュレー役にはジェレミーを推したいな。雰囲気がぴったりだ。
ジェフ:あ、やっぱりそう思う? 僕もアシュレー役は彼がいいなと思っていたんだ。
ランビ:若手のロス君も悪くないけど、この役はジェレミーだな。
ジェフ:じゃあ、彼に決めるよ。…ということは、レット・バトラーはそれなりに貫録がある選手じゃないと、アシュレー役のアボットとのつり合いが取れないな。
ランビ:ああ、それはあるかもしれないね。
ジェフ:ジェレミーに見劣りしない選手か…。エヴァン・ライサチェックに声をかけてみようかな。主要キャストがアメリカの選手ばかりになるのが、ちょっと癪ではあるんだけど。
ランビ:そうだ…! (ポン! と膝を叩いて) エマ先輩はどうだい? ほら、君の国のエマニュエル・サンデュだよ。
ジェフ:ああ…! いいかもしれないね。そうか、その手があったか…。
ランビ:彼なら、試合でジェーニャに勝ったこともあるし、悪くないと思うな。
ジェフ:そうそう、2003年のGPファイナルだったね。
ランビ:僕なんか、ジェーニャが出た試合では優勝したことがないんだ。僕が初めて世界チャンピオンになったのは、ジェーニャが棄権した試合だったし。
ジェフ:2005年の世界選手権だったね。僕はあのとき2位で…。

「風と共に去りぬ・オン・アイス」の人選を離れ、昔話に花を咲かせ始める2人。
そのとき、ランビが広げていた配役ノートの上に影が差す。
驚いて顔を上げるランビ。ジェフもつられて顔を上げると、そこには妄想パトリック・チャンが立っている。


ジェフ:やあ、パトリックじゃないか。
パト:それって、「風と共に去りぬ・オン・アイス」の配役表?
ジェフ:あ、うん。まだ候補者を選んでいる段階だけどね。
パト:見ていい?
ジェフ:え? ああ…、いいよ。

2人のやり取りを聞いて、ランビがパトリックに配役ノートを差し出す。
空いていた近くのソファに腰を下ろし、ノートに目を通すパトリック。


ジェフ(小声で) まずったな。候補者の中に、パトリックの名前が入っていなかった。
ランビ(小声で) 仕方ないさ。「風と共に去りぬ」には、彼に合う役柄がないんだから。
ジェフ (小声で) それはそうだけど、カナダが誇る3年連続の世界チャンピオンなんだから、名前だけでも入れておけばよかったなと思って。

パトリック、配役ノートを閉じると、2人のところへやってくる。

パト:ありがとう。 (ジェフにノートを差し出し、ニカッと笑いながら)
ジェフ:え…? (けげんな表情でノートを受け取る)
パト:いやあ、気を遣ってもらって悪いなあ。
ジェフ:え…? え…?
パト:レット・バトラー役のことだよ。あそこだけ候補者が空欄になっているのは、僕のために空けておいてくれたんだろう?
ジェフ:………。
ランビ:………。
パト:ヨーロッパチームはプルシェンコ、日本チームはダイスケがあの役を演じると聞いて、北米チームは僕がやるしかないなと思ってたんだ。どっちも元世界王者で、バンクーバー五輪のメダリストだろ? 北米チームの中で、あの2人を実力的に上回れるのは僕しかいないからね。
ジェフ:そ、それは確かにそうだけど…。
ランビ:実際に試合をするわけではないんだし…。
パト:ああ、言葉が悪かったかな。実際に試合をするのなら、怖いのはあの2人よりも若手選手だよ。でも、今回のような妄想イベントでは、表現力や人気で点数を稼げるベテラン選手のほうが手ごわいからね。あの2人に対抗できるとしたら、僕しかいないと思うよ。
ジェフ:………。
ランビ:………。
パト:じゃあ、ほかの配役が決まったら、連絡してね。 (立ち去ろうとする)
ジェフ:いや、ま、待ってくれ…! (慌てて引き止める)
パト(振り向いて) 何? どうかしたの?
ジェフ:いや、その…。君がレット・バトラー役をやるのは、何ていうのかな、雰囲気的に向いていないんじゃないかと思うんだ。
パト:うーん。まあ、それを言われると、ちょっと痛いんだよね。
ジェフ:だろ? だからだね…。
パト:だったら、僕はアシュレー役でもいいよ。
ジェフ:えっ…!?
パト:レット役とアシュレー役、どっちにするかは任せるよ。スカーレット役やメラニー役との釣り合いもあるだろうし。決まったら、メールして。
ジェフ:………。
パト:じゃあね。

パトリック、その場を立ち去る。
その後ろ姿を呆然と見送るジェフとランビ。


ジェフ:ど、どっちがいい…いや、マシだと思う…?
ランビ:レット・バトラー役かアシュレー役か、どっちがいいかってこと…?
ジェフ:うん…。今の展開だと、どちらかの役を彼に割り当てないことには済まなさそうだ。
ランビ:外見的にはアシュレーかな…。
ジェフ:でも、あの性格でアシュレーはありえないよ…。
ランビ:うん、性格的には、オレ様キャラのレットに近いよね…。
ジェフ:でも、あの外見でレットというのも…。
ランビ:外見はアシュレーで、性格はレット…?
ジェフ:そうかも…。
ランビ:いっそ、1人2役?
ジェフ:あ、あり得ない…! (頭を抱え込む)

(続く)


3地域対抗「風と共に去りぬ・オン・アイス」スタート
「風と共に去りぬ・オン・アイス」(1)
「風と共に去りぬ・オン・アイス」(2)
「風と共に去りぬ・オン・アイス」(3)
by noma-igarashi | 2013-07-21 17:07 | オペラ・オン・アイス | Trackback | Comments(0)
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