111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
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実際にあった「動物のお医者さん」以上のトンデモ「トスカ」

以前、オペラが出てくる少女マンガの1つとして、佐々木倫子さんの「動物のお医者さん」のことを話題にしました。このマンガの第101話に、オペラ「トスカ」が出てくるんです。主人公ハムテルを初めとする北大の獣医学生が、エキストラとして「トスカ」に出演し、慣れないためにとんでもない失敗をしてしまうというストーリー。前に話題にしたときの記事から、もう少しくわしい筋書き紹介を引用してみますね。

ふだんは外国に住んでいるハムテルの母親(オペラ歌手)が帰国し、オペラ「トスカ」の舞台に立つことになり、ハムテルたち獣医学部の学生もエキストラ(カヴァラドッシの銃殺刑を執行する兵士たちの役)として出演する、というもの。ただ、低予算の舞台で、しかも事前の打ち合わせも十分でなかったため、いろいろとトラブルが起きて大混乱、という展開です。

たとえば、トスカがスカルピアを殺すシーンで、ナイフが用意されていなかったため、仕方なく絞め殺すことにしたり。カヴァラドッシが銃殺されるシーンで、兵士役のハムテルたちは、カヴァラドッシとトスカのどちらを銃殺すればいいのかわからず、間違ってトスカのほうに銃を向けたり。極めつけは最後のシーンで、「主役と一緒に退場するように」とだけ指示された兵士役のハムテルたちは、トスカがサンタンデロ城から身を投げるのを見て、「一緒に退場しなきゃ!」と、同じように次々と飛び降りて退場してしまうのでした。ちゃんちゃん。


というわけで、素人をエキストラとして起用したために、舞台の最後がハチャメチャになってしまったというストーリーでして、面白おかしくつくられたフィクションなのですが、なんと! 昨日まで読んでいたオペラ関係の本に、このマンガの上を行くような事実が紹介されているではありませんか。実際の舞台で、こんなことが…。



読んでいたのはこの本。シェトレ著『舞台裏の神々――指揮者と楽員の楽屋話』(音楽之友社)。版元サイトの内容紹介を借りると、「大指揮者やウィーン・フィルをはじめとするオーケストラの楽員、オペラ歌手、裏方たちの舞台裏での交流や楽屋裏話を綴った抱腹絶倒のエピソード集」なのですが、その中に「プロンプター、進行係、教授、作曲家、その他もろもろ」という章があり、「トスカ」上演時の以下のようなエピソードが紹介されていました。

舞台裏の神々―指揮者と楽員の楽屋話

Rupert Sch¨ottle / 音楽之友社


《トスカ》の第三幕でカヴァラドッシは、トスカとこの世から別れる悲しみの(いつも大喝采請け合いの)長大なアリアを歌う。それが終わるとすぐ銃殺隊が隊長の合図で彼を射殺する。その間トスカは城壁の陰に隠れていて、見せかけの処刑後、二人で手に手を取って逃げる算段をしている。ところがその日の公演で、銃殺の執行に必要な銃殺隊が登場しなかった。そのために舞台は身動きが取れなくなってしまう。いわゆる通作形式のオペラでは、ドラマの進行を止めようとしても、音楽はどんどん先へ進んでしまう。仕方なくカヴァラドッシは銃殺されぬまま舞台から引っ込まざるを得なくなった。その間トスカは倒れている恋人に、急いで起き上がることを求め、自分といっしょに逃げるように促さなければならない。この場違いなシーンに、不意に銃殺隊が現れる。彼らは舞台のどこを探しても生贄にすべき対象が見つからないので、仕方なくそのまま反対側の舞台の袖に消えていった。その間トスカは、カヴァラドッシの死に絶望しなければならないのに、そこに彼がいないので、なにがどうなっているのか、さっぱりわけのわからないまま、サンタンジェロ城の城壁から身を躍らせなければならなくなった。一方、観客は身をよじりながら笑いこけているありさまだった。

『動物のお医者さん』と同じく、このミスも、兵士たち(銃殺隊)が舞台の進行を十分に理解していなかったために起きたんでしょうねえ。出て行くタイミングを間違えただけともいえるから、ミスの大きさとしては、『動物のお医者さん』よりもマシだったかもしれないですが、それによって引き起こされた舞台の混乱は、マンガを上回るものでした。

それだけではありません。上記のエピソードは、オペラ「トスカ」を見慣れていないと今ひとつ面白さがわかりにくいかもしれませんが、この文章に続けて、また別のこんなエピソードが紹介されていたのでした。

 この忘れがたい公演でトスカを演じたのはモンセラト・カバリエ。彼女はこのオペラの出演では幸運に恵まれることはあまりなかったようだ。彼女がニューヨークのメトでこのオペラに出演したときのこと。サンタンジェロから飛び降りるとき、その衝撃を和らげるため、下に硬いマットレスを敷くべきところ、代わりにトランポリンが使われた。ところがこの器具の強い反発力を考慮に入れていなかった。そのため世をはかなんだトスカが死の跳躍を試みたあと、不意にまたサンタンジェロの壁の上にふんわりと横向きの姿を観客に見せる破目になった。

トランポリン…。(^^;;; 五輪でトランポリンを見たばかり(1ヵ月前だけど)だけに、映像が浮かんできてしまいました。メトの舞台でこんなことが起きたとは。まさに、「事実は小説(マンガ)より奇なり」ですね。
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by noma-igarashi | 2012-09-13 23:01 | 映画・TV・本など | Trackback | Comments(0)
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