111.31KV620日記


オペラ、フィギュアを中心に、そのとき興味のあることがらを話題にしています。
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METライブビューイング「イル・トロヴァトーレ」

METのライブビューイング「イル・トロヴァトーレ」を見てきました。シーズン初めに3枚綴りのセット券を購入し、ここまで「ドン・カルロ」「ランメルモールのルチア」と見てきて、当初の予定では、もう1本は「オリー伯爵」にするつもりでいたのですが、連休中の上映のためにうっかり忘れてしまい、今回の「イル・トロヴァトーレ」を見ることに。結果として、ルーナ伯爵役のホロストフスキーの歌を聞くことで、間近に迫ってきたMETの来日公演への期待が高まり、この演目が3本目でよかったなと思いました。
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さて、「イル・トロヴァトーレ」というと、主な登場人物4人が全員、過剰なまでの愛情や憎悪を抱いて、それがただのひとつも幸福につながらず、救いようのない結末に向けて突き進んでいく--とまあ、私としてはそういう受け止め方をしておりまして(あらすじはこちらでどうぞ)、全体的に暗いのであまり好きではなかったのですが、今回見てみて、これまでとはまた少し違う感想を持ちました。



思うに、3.11以降、オペラを見ていて感じることも、それまでとは変わってしまったのかもしれません。「イル・トロヴァトーレ」の舞台は15世紀のスペイン。罪人は火刑にされたり、手枷や足枷をつけられて、入ったら二度と出られないんじゃないかというような、恐ろしげな牢につながれたり。オペラの演出なので、厳密な時代考証をしているわけではないかもしれませんが、そういうおどろおどろしい舞台セットを見ると、これまでなら「なんとも野蛮な時代だったことよ」などと感じるだけで、それを自分の身に引き寄せてどうこう、というような受け取り方はしなかったんじゃないかと思います。舞台になっているのは昔なんだし、オペラはそれほどリアルさが求められているわけでもないし、時代背景や舞台セットは、歌を楽しむための前提として必要なだけ。たぶん、そんなふうに受け止めたと思います。

ところがですね、昨日は「イル・トロヴァトーレ」を見ながら、つい思ってしまうわけですよ。15世紀も野蛮な時代だったかもしれないけれど、今、放射能に汚染された土地から追い立てられたり、不安を抱えながら生活したりしているこの状況が野蛮でないといえようか、などと。所詮、野蛮さの種類が違うだけなのでは。大きな戦争があった時代は時代で野蛮だったと思うし、戦後、「健康で文化的な生活」を保障した憲法ができたのに、それがまったく保障されていない状態になってしまった21世紀の日本も、十分に野蛮な状態ではないでしょうか。どっちがマシかはわからないです。

そんなことを考えながら見ていたせいで、最後の最後、「それでも私は生き続けていくのか」というルーナ伯爵の台詞(歌詞)がすごく強烈でした。自分の嫉妬心が故に、愛するレオノーラを失い、生き別れた弟をそれと知らずに死刑にしてしまった。それが判明したときに、絶望感に打ちのめされるルーナ伯爵。これまでは「暗い結末だなあ…」という程度にしか思わなかったのに、なんか、泣けてきてしまいました。

それでも生き続けていくしかない――。罪の意識を抱え、絶望感に打ちひしがれながら。あるいは、いつまで続くともしれない放射能の不安にさらされながら。なんとも重いひとことでしたが、最後の最後にあのひとことがあったことが、救いのようにも感じられました。絶望感で死を選ぶのは、ある意味、安易なことだとも思うんです。残りの人生に絶望感しかないとしても、生き続けていくしかない。深いなあ…。「イル・トロヴァトーレ」で人生を考えちゃうとは、なんてこったい、などと思いながら、映画館を後にしたことでした。
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by noma-igarashi | 2011-05-29 16:35 | オペラ・音楽 | Trackback | Comments(5)
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Commented by 春紅葉 at 2011-05-31 21:08 x
緊急連絡。
ネトレプコ(多数名かな?)来日キャンセルだそうです。
Commented by NOMA-IGA at 2011-05-31 21:55 x
>春紅葉さん
こんばんは、お知らせありがとうございます。私も先ほど知りました。
ネトレプコの降板により、私が見に行く「ドン・カルロ」に出演するはずだったフリットリが、ネトレプコの代役として「ボエーム」に移行。「ドン・カルロ」のほうは、フリットリの代わりにまた別の歌手が来日することになりました。
やれやれ…。土壇場の降板はよくある話ですけど、原発事故が理由だというのがなんとも。
Commented by yunnan at 2011-06-01 21:11 x
NOMA-IGAさま
yunnanは、まだ初心者ということもあり高価なMETデビューは今回見送りですが、お気持ちお察しします。(yunnanは新日フィルの定期会員なのですが、新国立のばら騎士で来なかったアルミンク音楽監督が読売新聞でそのことで楽員ともめたとか堂々としゃべっちゃう状況に心痛めてます・・・全文読んでないので、全体としていい記事だと良いのですが)
ところで、林田直樹さんのtwitter、METゲルブ総裁の記者会見をつぶやきがてら実況されていたのですが、もし未見でしたら、おすすめです。力強い言葉に「これぞ総裁」と思いました。
Commented by NOMA-IGA at 2011-06-01 23:22 x
>yunnanさん
お知らせありがとうございます。林田直樹さんのtwitter、さっそく見てきました。
この件について、入れ違いに記事をアップしてしまったので、また改めてレスしますね。

Commented by NOMA-IGA at 2011-06-03 22:19 x
>yunnanさん

改めまして、こんばんは。
出演者変更の件については、別記事にあれこれと書いてしまいましたが、ともかくはメトが来てくれることになったのはありがたいですね。この時期に来日を予定していたのがほかの国の歌劇場だったらどうだろうと思うと、国によっては中止もあり得たかもしれない。そうなると、さらに別の国の歌劇場も来日を見送ったかもしれない。日本とアメリカの関係を考えると、アメリカの歌劇場が来ないわけにはいかないのかもしれないですけど、ともかくはメトが来てくれることになったおかげで、ほかの国に対してもいい先例になってくれることと思います。

それにしても、秋にはボローニャ、バイエルンの日本公演が予定されていて、その両方にヨナス・カウフマンが出演予定ですが、いったいどうするつもりなんだろうと、他人事ながら気になります。あの理由で今回の来日を見送って、秋の公演には予定通り来る、というわけにはいかないと思うんだけど、当初の出演者のままでチケットが売られているようだし、これも揉めそう~。
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