111.31KV620日記 |
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Bunkamuraル・シネマで上演中の「ドン・ジョヴァンニ」を見てきました。オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の脚本家であるダ・ポンテに焦点をあて、ヴェネツィア生まれの彼がウィーンへ来るまでのいきさつや、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」誕生の過程を描いたもの。ル・シネマのサイトに掲載されているあらすじがわかりやすかったので、以下にご紹介してみます。 舞台は1781年のウィーン。背徳行為に因ってヴェネツィアを追放されたダ・ポンテは友人カサノヴァの紹介でサリエリと出会い、そして新進作曲家モーツァルトと出会う。イタリア語のオペラ制作に意欲的なモーツァルトの台本を任されたダ・ポンテは、稀代の色男“ドン・ジョヴァンニ(ドン・ファン)伝説”に新たな視線を投げかける。それはオペラの主人公同様に、数多の女性を虜にした自らの愛の体験を反映させる構想だった。そして、その物語に魅せられたモーツァルトは身を削って作曲に没頭していく…。 ダ・ポンテにさほど興味があったわけではなく(それだったら「魔笛」の作者シカネーダーのほうが面白そう)、「ドン・ジョヴァンニ」の曲が使用されるというので、それなら見てみてもいいかなと思って行ってきました。実際に見た後も、ダ・ポンテという人物に新たな興味が湧くわけではなく、「ふうん、そういう人だったのか」と思った程度で、「ドン・ジョヴァンニ」を初めとする、映画の中で使用された曲を楽しんできました。 映画の中で、「ドン・ジョヴァンニ」が部分的に上演されるので、その感想を書いておきます。ドン・ジョヴァンニを演じていたのはたぶん役者で、歌だけ吹き替えたのだと思いますが(公式サイトを見てもそのへんのことがわからなかった…)、ドン・ジョヴァンニに扮していない状態ほうが見栄えはよかったなと思いました。ドン・ジョヴァンニに扮している状態は、妙に軽い印象で、私好みのドン・ジョヴァンニではなかったのが残念。たぶん、ドン・ジョヴァンニに対するイメージが、映画監督と私とでは違っていたということでしょう。まあ、いわば劇中劇の登場人物が、映画の登場人物(タ・ポンテやモーツァルト)より存在感があるのもヘンなものでしょうけど。 ツェルリーナは、農民の娘という設定を強調したかったのか、赤ら顔でいかにも田舎者っぽく描かれていて、がっかり。ツェルリーナはもっとかわいくあってほしいです。レポレロはまずまずイメージ通り。 ドンナ・エルヴィーラは、ダ・ポンテの恋人だった歌手フェラレーゼが演じるという設定(というか、それが事実だったのだろうと思いますが)で、公式サイトを見ると、実際にも歌手として活躍している人が演じていたようです。 それと、映画のエンドロールに「ドン・ジョヴァンニ」の序曲が流れるのが、映画の締めくくりとしてはどうなのかと思いました。「魔笛」のときもそうでしたけど、序曲は序曲(つまり作品の初めに流れる曲)だし、しかも、「ドン・ジョヴァンニ」の序曲は唐突に終わっちゃうし(幕が開いてレポレロの歌につながっていく)、どうするつもりなんだろうと思っていたら、やはりそのまま唐突に終わりました。うーん…。「ドン・ジョヴァンニ」とは関係ない歌だけど、その前に流れていた「恋とはどんなものかしら」で締めたほうがよかったような気もします。
by noma-igarashi
| 2010-04-17 11:58
| 映画・TV・本など
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Comments(4)
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from クラシック音楽ぶった斬り
at 2010-04-18 16:11
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from クラシック音楽ぶった斬り
at 2010-05-04 19:52
Tracked
from blog オルシニアン
at 2010-07-10 17:34
タイトル : 映画「ドン・ジョバンニ」
モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」、といってもこの映画は、映画版「ドン・ジョバンニ」ではなく、オペラの劇作家ダ・ポンテの物語。 首都圏では春頃公開されていたようですが、ようやくこちらでも公開ぎ..... more
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Nanako
at 2010-04-18 12:58
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名古屋では24日からの上映で観に行く予定です。台詞がイタリア語なのが嬉しいです。モーツァルトやダ・ポンテが英語しゃべったりしたらイヤ(笑)まだ見ていないから分かりませんが、ドン・ジョバンニを歌っていたのはキャストに名前があったバリトンのボルハ・クイサBorja Quiza?
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NOMA-IGA
at 2010-04-19 19:57
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>Nanakoさん
一足お先に観てきました~。 歌手の名前、書いてあったんですね。全然気づきませんでした。じゃあ、レポレロやツェルリーナを演じていたのも歌手かしら。 英語をしゃべるとがっかりというの、すごくわかります。同感。 ただ、よく考えたら、オペラの中では、たとえばスペインが舞台のお話でも、登場人物たちはイタリア語やフランス語で歌ったり話したりしているんですけどね(汗)。でも、モーツァルトやダ・ポンテが英語で話すのはやっぱりイヤ!
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ITO
at 2010-04-28 05:16
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歌手を演じていたのは俳優ではないですよ。全員レッキとした(しかも今をときめく・・・いやちょっと早いか)超注目の若手歌手ばかりです。ドン・ジョヴァンニ=ボルハ・クイサ、レポレッロ=セルジオ・フォレスティ、騎士団管区長=カルロ・レポーレ、ドンナ・エルヴィーラ=ケテヴァン・ケモクリーゼ。フォレスティは、ビオンディやプティボンなんかとよく組んでいる、ヴィヴァルディなどの初期バロック音楽ではお馴染みの顔ですし、ケモクリーゼは日本ではクーラのオテロでのエミーリア役くらいでしかまだ知られていませんが、昨年ドイツのエイズ撲滅キャンペーン・ガラでトリの「チェネレントラ」を唄ったりと、ガナッシやディドナートに次ぐロッシーニ・メゾの大注目の若手です。レポーレもヘンデルオペラなど、というように、今回のキャスティングはかなりバロック音楽に精通したメンバーにこだわったようですね。ごくごく初期のバロック(マドリガルのような)を歌いこなせるメンバーばかりを選んでいます。だから若干軽く聴こえたかもしれませんが、時代考証的にはそれで合っています(笑)
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NOMA-IGA
at 2010-04-28 08:16
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>ITOさん
>歌手を演じていたのは俳優ではないですよ。 そうでしたか。知識不足で、大変失礼しました。情報どうもありがとうございます!それだったらなおさら、公式サイトのわかりやすい場所、たとえばキャストか使用楽曲のところに名前を入れてほしかったなと思ったりもしますが、考えたら自分ではパンフレットも買っていないわけで、ネットを使うようになって以来、黙っていても無料で情報をもらえることに慣れすぎてしまっているのかもしれません(反省)。くわしく教えていただいて、大変勉強になりました。ありがとうございました。 あと、「軽い印象」というのは、歌のことを書いたつもりではなかったので、その点だけはご了解ください。同じ文章に続けて書いているように、歌手の問題ではなく、ドン・ジョヴァンニに対するイメージが、映画監督と私とでは違っていたということだと思います。 それ以外の歌手についても、「俳優が演じて歌が吹き替えなのかな」という前提で書いているので、すべて、演技だとか外見的な印象(それぞれの役柄に対する私なりのイメージに合っているか)についての感想です。
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