111.31KV620日記 |
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DVDで「アイーダ」を見ていると、休憩が入らないため、どこからが第2幕なのか、イマイチわからなくなってしまいます。ラダメスがやっと戦場へ出かけたなと思ったら、あっという間に帰ってくるので、ボーゼンとしてしまいます。生で見ると多少はマシですが、あのすっ飛ばし方は、やっぱりすごくオペラ的です。
今回の出演者:妄想ツアーの観光客(お嬢さん方):ダイスケの母と愛人連合、タカヒコ:小塚崇彦、考古学者ヨシムラ:吉村作治、演出家ミヤケン:宮本賢二、祭司長:エフゲニー・プルシェンコ、ファラオ:本田武史、アムネリス:安藤美姫 ※この作品はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません。 ※個人ブログのお遊びですので、そのつもりでお読みくださるようお願いします。 古代エジプトの都メンフィス――。 演出家・宮本のいる神殿に、妄想ツアーの参加者(お嬢さん方)がどどど! っと駆け込んでいく。ヨシムラ先生とタカヒコもあたふたと後を追いかける。 お嬢さん方:ミヤケンさん、ミヤケンさん…! (勢いよく室内に駆け込むと、演出家・宮本と祭司長プルが驚いたように振り向く) お嬢さん1:あ、あら…。 お嬢さん2:ごめんなさい、お取り込み中だったかしら…。 お嬢さん3:私たち、出直してきたほうが…? 祭司長プル:いや、とんでもない。ちょうど打ち合わせが終わったところだから、ご心配なく。 お嬢さん4:そ、そう…? 演出家ミヤケン:まあどうぞ。皆さんおそろいで、何か? お嬢さん4:あ、えーと…。 お嬢さん5:私たち、エキストラに雇ってもらえないかと思って…。 お嬢さん6:ほら、凱旋シーンでは、人数がいたほうが華やかじゃない? お嬢さん7:ミラノ・スカラ座の来日公演でも、エキストラを募集してるのよ。 お嬢さん8:でも、私たち、スカラ座より、こっちの「アイーダ」に出たいなと思って。 お嬢さん方:お願い! 演出家ミヤケン:困ったな…。 (かたわらの司祭長を振り向く) 依頼主としては、どう思います? 司祭長プル:名案じゃないか。凱旋シーンは、確かに大勢いたほうが豪華だ。この人たちに出てもらえばいい。 お嬢さん方:きゃ~!! (いっせいに飛び上がって手をたたく) 演出家ミヤケン:それなら、問題なしだな。よし、出演してもらおう。 お嬢さん方:うれしい~!! お嬢さん9:ありがとう、プルさん、ミヤケンさん! 演出家ミヤケン: (ノートパソコンを開きながら) そうなると、どういう演出がいいかな。参考までに聞くけど、皆さん、踊りはできます? お嬢さん10:お、踊り…? お嬢さん1:………。 (お嬢さん10と顔を見合わせる) 演出家ミヤケン:いや、できないなら別にいいですよ。参考に聞いただけだから。 (パソコンを操作しながら) お嬢さん2:うーん…。程度によるかなあ…。ね? お嬢さん3:あ、こんな踊りは無理よ。絶対。 (パソコン画面の動画を指差して) 演出家ミヤケン:ああ――。これは本職のバレエ・ダンサーだから、 お嬢さん4:そうね。 演出家ミヤケン:じゃあ、こっちの動画の中で、できそうな動きはありますか? お嬢さん5:凱旋シーンはアイーダ・トランペットで始まるのね。カッコいい~。 お嬢さん6:最初のグループは行進するだけかあ…。これなら間違いなくできるけど、ちょっと簡単すぎる? お嬢さん7:そうね、もう少し動きがあってもいいわね。 お嬢さん8:あ、このグループなんかどう? (01:00ごろに登場するグループ参照) お嬢さん9:いいかも。練習すればできそうな気がする。 お嬢さん10:なんだかスクールメイツみたいな踊りね。 お嬢さん1:懐かしいわねえ、スクールメイツ! お嬢さん2:キャンディーズも太田裕美も、みーんなスクールメイツ出身なのよね。 (きゃあきゃあと騒ぐお嬢さん方。司祭長プル、そのようすをじっと眺めていたが、ふっと笑みを浮かべて――) 祭司長プル:じゃあ、私はこれで。 演出家ミヤケン:あ。じゃあ、また後ほど――。 祭司長プル: (お嬢さん方に) 期待していますよ。皆さん、美しい方ばかりだから、きっと華やかな凱旋シーンになるだろうな。ラダメスも本当に幸せだ。 (笑みを浮かべたまま部屋を出て行く) お嬢さん方:………。 お嬢さん3: (声をひそめて)どう思う? お嬢さん4:プルさんのこと? お嬢さん3:そう。あれ、本気で褒めたんだと思う? お嬢さん5:ビミョーね。 お嬢さん6: (うなずきながら) 皮肉のようにも聞こえるわ。 ヨシムラ先生: (隣のタカヒコに) ね。今の彼は、誰…? タカヒコ:あ、エフゲニー・プルシェンコ選手です。トリノ五輪の金メダリストで…。 ヨシムラ先生:へえ。彼もすごいねえ…! タカヒコ:すごいですよ、4回転ジャンプとか――。 ヨシムラ先生:いやあ、感心したなあ。さっきのジョニー君と同じようなことを言っているのに、全然違って聞こえるから、驚いたよ。 タカヒコ:………。 ヨシムラ先生:あの若さで、たいしたものだ。9割方は皮肉なのに、1割方は違うかもと思わせる技が、絶妙だよ。いやあ、フィギュアスケーターにはいろんな人材が揃っているんだねえ。 タカヒコ:………。 その頃、神殿にほど近い王宮では――。 アムネリス安藤:父上、父上…! (父王の姿を見かけ、小走りに駆けてゆく) ファラオ本田:おお、娘よ。 アムネリス安藤:父上、噂は本当ですの? ラダメス様が…わが軍が、早くも勝利をおさめたとか。 ファラオ本田:なんと耳の早い奴だ。いかにも、その通り。 アムネリス安藤:きゃ~! やった~!! ファラオ本田:………。 アムネリス安藤:国を挙げてのお祝いね。うれし~! 私、着替えてこなくっちゃ。 (自分の部屋に戻ろうとするアムネリス。そのとき、打ちひしがれたようすのアイーダが回廊を横切っていくのが目に入る) アムネリス安藤:アイーダだわ…。あの女…あの奴隷女が、本当に私の恋敵なの? ああ、気になる…。ようし、確かめてやるわ…! (続く)
by noma-igarashi
| 2009-06-25 23:59
| オペラ・オン・アイス
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